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3年A組(全編ネタバレ感想)/悪意に塗れたナイフ 


菅田将暉目当でも最初は「見なくていいや…」と思ったけど

テレビ誌で次クールのドラマをチェックして、お、菅田将暉!って思ったんですけどね…
あらすじを読んで、いやーバトロワか暗殺教室みたいな感じでしょどうせ?と思って1話すらスルーしたんですよ。
そうしたら、1話放送直後に周囲の人の反応が結構良くて。
ちらっとGYAOで見てみたら、おお…バイオレンスでイカレてる菅田将暉さいこうじゃん…ってなって2話目からはリアルタイム視聴に切り替えました。
見るも見ないも菅田将暉で決めてしまった。

早い段階で柊一颯の「いい人」感が出すぎて(´Д`)

主人公なので、ブッキーがただのイカレた奴じゃないことは容易に想像できますけど、その「いい人」感の出し方はもうちょっとなんかなかったのか…と思ってしまう。
なーんか…生徒に説教し始めた割と序盤のあたりから、急に熱量が下がってしまった。
正攻法すぎて。真正面すぎて。つまらなかった。
ブラックペアンの渡海みたいなイカレたダークヒーローを期待しちゃってたんだけど、学園ドラマだと限界があるのか、あと余命宣告された病人っていう設定が一個乗っかってるからか、どうもなあ…
最終回まで見終えた今となっては、病人設定すら、それ必要だった…?もうすぐ死ぬなら自殺しかねないと生徒に思わせて、最後の自殺未遂茶番を成功させるためっていう理由はあるけど、ああーなんか鬱陶しいなあー!!(笑)となっちゃう。


3年A組の脚本は武藤将吾、過去作は櫻井翔「家族ゲーム」など


舞台設定、ストーリー、役者の演技はけっこういいと思っている。
ただ、うーん、実力派と言われてはいるけど、やっぱり私は脚本のセリフ回しや言葉遣いが少々ひっかかるというか、クサくてイマイチ感情移入できなかったのも残念な原因。
「ぶっ飛んだ」設定には別に違和感を感じない、そんな、言うほど斬新でもぶっ飛んでもないし。バトロワや暗殺教室や家族ゲームっていう似たようなやつがいっぱいある。

そんな中でもストーリーの展開とかは結構面白いのに、ただただ正義を熱く訴えるだけみたいな感じが興醒めで、本当にもったいない。
Mind Voiceなるネット民のつぶやき内容も、ひと昔前の2ちゃんねるみたいなレベルの内容でちょっとお粗末。
世間のネットに対するイメージはこんなもんか、と思ったり、最終回のブッキーの説教を成立させるためには、過度にアホっぽくする必要もあったのだろう、と解釈してるけど…

「家族ゲーム」は結構面白かったの。優等生っぽい櫻井翔がイカレた役を演じるっていうのが一個楽しみだったのもあったけど。で、あの時も確かに、「あー偽悪のヒーローだけど、なんかこう…最後は熱く説教すればいいみたいな力技だな…」とモヤった記憶はあるんだけど、まあアイドルの熱演という目線で見ていたからそう感じたのかも…と。
でも菅田将暉ですらモヤるということはやっぱ脚本・演出じゃね?となってしまった。

3年A組最終回の感想…景山澪奈を殺した犯人(私見)

武智が冤罪で逮捕されてネットで叩かれまくってから、過剰に悪口に怯えるようになっている描写がちょこちょこあったんだけど、それは景山澪奈がフェイク動画をきっかけにネットで叩かれて幻聴・幻覚に襲われ、自殺に追い込まれたという背景があって、武智も同じ目に遭うことで自分のやったことを自覚するみたいなことだったらしい。

いや、ブッキー。
澪奈ちゃんの話聞いた時にすぐ精神科の受診勧めろ。
ネットが原因とかモソモソ計画してる場合じゃねえだろ。
統合失調症の前駆症状かもしれないだろ。
お前が景山澪奈を殺したも同然だろ…

…とツッコんでしまった( ̄▽ ̄)

幻聴とか幻覚とかがそんな手軽に描かれたらどんな影響があると思ってんだよ…
民放のドラマ作ってるそっちこそ言葉には気をつけてくれよ…

でもいくら語ってる言葉は正義でも、わたしはブッキーもちょっと精神疾患ぽいよなーと思う。
ただ単に「教師が生徒を人質にとるのは狂ってる」とかそういう表面的なことじゃなくて(フィクションの設定に文句言うような野暮ではない)、あそこまで自分の正しさに酔えるところに底知れない不気味さを感じる。
ネットの怖さよりもそっちのほうが怖い。

だからか、屋上でのブッキーの、ネット民への演説も、おおむね正しいことを言ってるのにどうも素直に入ってこないというか…

あとまわりね。
生徒たちが軽そう~~~なコンクリどけながら(今までなんでどけなかったんすかW)、ブッキーの演説が流れてきて「先生怒ってる?」と言ったり。(いや、「怒ってる?」って3歳児かよあの状況で…)
コンクリのむこうがわの刑事さんが「あれは怒りじゃない…祈りだ(キメ顔)」とか言うから、くだらなくて気が散った。

ブッキーを引き上げるときも、まず片腕を茅野がつかんで、男子生徒が加勢して、その後まばたきしてる間に両腕をかけつけたクラスメイトたちがつかんで引き上げたけど、明らかにブッキーが片方の腕自分で上げないとそうはならなくて「編集が雑すぎる~~~」って笑った。

武智が謝りにきてあっさり許すブッキーの元カノのくだりも、ハイハイって感じ。

とにかく何週間も大がかりにもったいぶった茶番をやったわりに、最終回ではお決まりの筋書きをクサく大げさにやっただけって感じがして、もうほんとモヤモヤした!!



モヤモヤしか残らなかった3年A組最終回…どうなっていたら良かった?

ここまでモヤったドラマ久しぶり。
好みから外れるものをモヤりながら見続けて(おもに菅田将暉が血まみれで苦しむところに萌えたかっただけ)、見るのをやめなかった自分自身にも問題があるのに、こんなところで批判ばかり書いていたらブッキーにおこらりちゃうかもしんない。

まあちょっと個人的な意見を言えば、単に「傷ついた人がいる!相手の気持ちを考えろ!浅はかな行動は慎め!」のゴリ押しじゃなくて、「どうしてSNSで軽率な言動をしてしまうのか」の理由や心理にまで踏み込んで言及していたら、もう少し興味をもてたかなあ、と。
少し描かれてもいたけど、ネットの一般民だけが悪いわけじゃなく、それらを利用して煽るようなテレビ、新聞、週刊誌などのマスメディアもいる。それらに流されるな、自分の頭で考えろ、というのがブッキーのメッセージには含まれているとは思うけど。
なんかな。正論を正攻法で伝えられても「…で?」となってしまう。

3年A組というドラマは結局だれに何を言いたかったのか

よってもって、このドラマのメインターゲットは、ものすごくシンプルで素直な考え方をする層向け、あるいは中高生あたりだったと思った。
であれば、わかりやすくネットの暗黒面を見せられてたんじゃないだろうか。
わかりやすすぎるほどに(どうしても皮肉っぽくなっちゃう)。

3年A組のよかったところ→上白石萌歌&今田美桜&福原遥&菅田将暉

序盤の、クラスメイト達の人間模様は見ててけっこう楽しかったよね。
視聴を続けた理由、それも大きかった。
死んだ水泳部の美少女を取り巻く、百合的感情のもつれやら、嫉妬やら。
また景山澪奈のあの雰囲気が、「わかるーーーーー!!こういう女子やばい(いい意味)よねーーーーー!!」って感じでとても良かった。上白石萌歌さんは、映画「羊と鋼の森」日(2018)で日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞されてましたが、容姿も演技も素晴らしかったです。

今田美桜さんと福原遥さんの美貌も際立ってましたね…ああいう感じの女の子好き。

そして最後に、男子生徒と殴り合ったり、女生徒(福原遥)を扉に追いつめてすごい剣幕で攻め立てる菅田将暉素晴らしい。(怯える福原遥の表情最高だった)
菅田将暉のああいう鋭い目つき素晴らしいよ。
口の端につけた血があんなに似合う人いないよね。笑
怒鳴るときの口の形がまた、いいんだよね。菅田将暉は素晴らしい。それを前のめりに浴びていくことでなんとか完走しました。ハァ。

最後にどうでもいいけど、メインテーマがチャイコフスキー5番の第1楽章そっくりだった!!


公式サイト:https://akaiyuki.jp/


序盤、不気味なほど静かに進行して、永瀬正敏の漆塗りのシーンでは刷毛の音から漆のにおいまでしてきそうだった。
雪を踏みしめる音、感覚、映像美が胸に迫りつつも、それがまた不穏な感じがして…
はじめはそういう、ある種の「重苦しさ」に負けそうになったけど、これは単なる暗いミステリーとかサスペンスの類じゃないんだ、と気づいてからは前のめりで鑑賞。

少年行方不明事件を追いかけるルポライター(井浦新)の視線で物語は進行し、彼が容疑者の娘・小百合(菜葉菜)とその同居人の男(佐藤浩市)とトラブルを起こしてからは、少年の兄・一希(永瀬正敏)と小百合のぶつかり合いへと進んでいきます。

観客のほうも、そうやってどんどん人の記憶の奥底の傷や罪に深く潜り込んでいくのですが、それが恐ろしい、見たくない、という気持ちがある反面、快感というか…

小百合は、幼少期に悲惨な虐待を受けていて、大人になった現在も終始生活のあらゆる面が荒んでいて、精神的に不安定で恐ろしく、悪魔的なのですが、それを見ながら自分たちの悪魔性も自覚させられる感じがしました。
でもそれが、中毒性が高いと感じられます。怖いけど、また見たい。


結果的に、記憶を失っていた一希が思い出したのは、子どもだった自分もまた事件に小さく加担していたという恐ろしいもので。
「やっぱり」と思いつつも、あの映像・演出で見せられると、ものすごく怖かった。
一希の恐ろしさの一端を体感しているような。

同じく、当時傍観しているしかなかった小百合も、一希に対して「自分が被害者だと思ってるのか?」みたいなことを叫ぶシーンがありましたが、あれは自分自身にも刺さっただろうなあと心が痛かったです。

記憶って意外と曖昧というか、たぶん、普段から、都合よく書き換えたりしているのかもしれないと思いました。
そうしないと生きられない弱さが、きっと一希じゃなくても、こんな悲惨な経験じゃなくても、だれにでもあって。
でも自分の体験した真実はたしかに心の奥底にあって消えないから、小百合のように歪んだ人格になってしまったり、一希のようにどこか違和感を抱いたまま記憶を失ってしまったりする。

2/9(土)14:35~テアトル新宿の回を鑑賞したので、トークショーにも幸運にも参加できたのですが、甲斐さやか監督(初監督ですって!驚)が「最近はネットやSNSで調べればたいていのことはすぐ答えが見つかる。でも、すぐ答えを導き出してわかったつもりになるのは簡単だけど、わからない部分が実は大事。そういうことも言いたかったことのひとつ」(ニュアンス。間違ってたらすみません)とおっしゃっていて、自分もいろんな場面でそう思うので共感したし、印象的でした。

それと、客席から「タイトルの文字が赤じゃなく黒なのはどうしてですか」という質問が出たのですが、「赤も当然考えたが、いろいろとサンプルを検討していて、墨の滲むような感じが、記憶の滲む感じとマッチしていてこういうのもいいんじゃないかと思って」という甲斐監督の裏話も聞けました。

菜葉菜さんは、あの狂気の演技をたっぷり見た後なのに(笑)、ニコニコと明るくハキハキ話されていて、とても美しい方でした。
印象的な女優さん、最近どこかで拝見したなぁ、と思い出したら、ラストレシピの保育園の職員さんでした!!

そして永瀬さん。
10代のころから穏やかに好きな俳優さんで、私立探偵濱マイクはいまだに大好きすぎてたまに観ますし、全作品は網羅できてないですが「さくらん」「誘拐」「隠し剣 鬼の爪」「五条霊戦記」「PARTY7」「ELECTRIC DRAGON 80000V」「けものがれ、俺らの猿と」「スマグラー おまえの未来を運べ」とかとか、懐かしいなあっていう感じです。演技が好き&顔が好き。
濱マイクほんと好き。(うるせぇ)
初めて生で拝見しましたが、なんかもうオーラがすごい~~~
存在感が半端なかったです。
50すぎ?ウソでしょ?かっこよすぎ…と、客席からガン見する気持ち悪い奴でした。

サイン会ではお三方ともとっても優しくて、笑顔でサインしてくださいました。
目の前の永瀬正敏が素敵すぎてイケオジすぎて心臓止まりそうになりながら、ついつい話しかけてしまった。
緊張してなに言ってるかわかんねぇアラサー女なのに、笑顔で受け答えしてくださり、お願いしたら握手までしてくださり、優しすぎて感激しました…生きる

「赤い雪」二度、三度、どっぷりと浸りたい映画でした。また見に行く!

■毎週火曜21:00~フジテレビ系列
■公式サイト
 https://www.ktv.jp/bokura/index.html

僕らは奇跡でできている 第9話・最終話感想/僕らは出会った人すべてでできている


相河先生→育美の想い


「面白いです」
この一言にすべては集約されているんだろうけど、ちょっと、もどかしいような、でも、人はそんなに急に変わらないことを思えば当然なのか。

山田さんとの
「鮫島先生は?」
「好きです」
「大地くんは?」
「好きです」
「じゃあ、水本先生は?」
「うーーーーーーーーん…」
のくだり、いや、悩む、ひとことで言えないところが、水本先生は他の人と違うんじゃないの!?って思いました。

樫野木先生だって間違ってはいない

最終回で感動したのは、樫野木先生に前回「相河先生を否定することで、何かごまかしていることがあるんじゃない?」ときつ〜い一言を放った鮫島教授が、生徒たちに樫野木先生の言葉を引用して諭したところ。

「やりたいことなんてそう簡単には見つからない。
なのに、やりたいことを探して何だか充実した気分になってしまったり、
やりたいことがない自分なんてだめだと自分を責めてしまう人がいるかもしれない」
それは相河先生を非難するための言葉だったけど、そこには真実もあって。
鮫島教授は、なるほどなと自分は思ったと言って、樫野木先生の考え方だって正解だと示した。

相河先生のあり方が正しい、樫野木先生はまちがってる、そんなことを言いたいドラマじゃないんですよね。
それぞれが、それぞれの持っているものを生かしきる。
それにあたって、時には間違えてしまったり、見えないことがあったりするけど、正解はひとつじゃないから、それぞれが何かになろうとするんじゃなく、そこで精一杯咲けばいいって言いたかったんですよね。

大河原さんはやっぱり…

山田さんはやっぱり母親だった…の次は、大河原さんは架空の存在だったという種明かし。
やっぱりな、という気がしつつも、ずっと優しくて悲しい嘘をつき続けた山田さんを思うと、そっちも嘘は可愛くて、でもそれがまたせつなくて。



終わり方は多少トンデモだったけど、それを差し引いても五つ星のドラマだった。
僕らは出会った人、もの、自然、すべて=奇跡でできている、当たり前のようだけど、忙しい毎日の中で立ち止まらせてくれる、そして癒されるドラマでした。

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